命あるもの全てに備わっているものが食欲と性欲だが、子孫繁栄は時として命に関わることもある。人間でも、コトに及んでいる最中に息絶えてしまう “腹上死” と呼ばれる死に方があるが、どうやら自然界の動物にも仲間がいるようだ。
というのも、オーストラリアに生息する有袋類アンテキヌスは、なんと「死にもの狂いで交尾して」本当に死んでしまうというのである!!
・壮絶な死に方をするアンテキヌス
アンテキヌスの生態を調査したのは、豪クイーンズランド工科大学の哺乳類生態学者アンドリュー・ベイカー氏が率いる研究チームだ。アンテキヌスは、ネズミに似たかわいらしい容貌の有袋類だが、雄はそのキュートな見た目からは想像できないような、壮絶な死に方をすることが判明した。
・交尾のしずぎで死んでしまう雄
雄のアンテキヌスは、生後10カ月で精子の生成が止まり、一気に交尾期間へと突入。約2週間にわたる交尾期間で、雄は多数のメスを相手に、なんと5~14時間もぶっ続けで交尾におよぶというのである。雌も同時期に発情期に入り相手を選ばずに交尾することから、雄同士の競争にさらに拍車をかけているとのこと。
・ストレスで免疫系が崩壊し息絶える
何が何でも遺伝子を後世に残そうと必死になるあまり、多大なストレスを抱えた雄は、最後には息絶えてしまうのである。ストレスホルモンの急激な増加により内出血が起きたり、体内組織が破壊され免疫系が崩壊。
なかには、毛が抜け落ち目が見えない状態になりながらも、交尾を続ける雄もいるというから驚きだ。こうして生後から1年も経たないうちに、多くの雄がその短い一生を終えるのである。
・アンテキヌスを絶滅危惧種と認定するよう申請
アンテキヌスは数種いるが、いずれも森林伐採の影響で生息数が減少してきている。そこで研究チームは、最近タスマニア島と本土で発見された新種2種を含めたアンテキヌスを、絶滅危惧種と認定するよう当局に申請しているそうだ。
体が小さいだけに、激しい交尾によるストレスに耐え切れないのかもしれない。人間でも腹上死してしまう人はいるので、男性の方々は、くれぐれも無理をしないように注意して頂きたいものだ。
参照元:Twitter @TheNTNews、Mashable、NEWS、SCIENTIFIC AMERICAN(英語)
執筆:Nekolas
Photo:Wikimedia Commons

オリジナル記事: 有袋類のアンテキヌスの息絶え方が壮絶!! 「死にもの狂いで交尾して」本当に死んでしまう動物が話題に!
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